院内SEの仕事は、病院を運営するうえで必要な、既存システムを管理することが中心です。したがって、社内システムの構築を主な業務とする社内SEとは異なり、院内SEが新規システムを開発することは滅多にありません。院内SEの主要な業務となる電子カルテの管理や、診療報酬請求事務についても、既存システムと外注を利用するだけで十分なのです。
院内SEは、病院に最適なシステムを市場で探して、医療スタッフに提示します。その際には、さまざまな職種のスタッフの意見を調整して要望をまとめ、導入に導くコミュニケーション能力が求められるでしょう。また、院内SEは医療スタッフがシステムを利用する際のサポート役として、ヘルプデスクの役割も担うのです。
院内SEは、医師や看護師、医療事務、検査技師など多くの医療スタッフと関わり、問題解決を図ることが求められます。このような場面でも、円滑なコミュニケーションを取る能力が欠かせません。質問と言えば、パソコン操作やプリンターの故障などに関することが多く、ネットワークの接続やハードウェアの動作に関する基本的な知識と経験があれば十分です。
以上のことから、システム構築に関する専門的なスキルを求められることはあまりありません。診療報酬請求事務や電子カルテ作成に必要なツールは、ファイルメーカーやアクセスなど、一般的なSEであれば使いこなせるものです。こうしたツールを駆使することにより、院内SEとして活躍することができるでしょう。